「もう着る人がいない着物、どうやって処分すればいいんだろう?」
母や祖母の着物がたくさん残っていると、場所を取るので整理したいと思う一方で、まだ使えそうなものまでごみに出してしまうのは抵抗がありますよね。高かったと聞いている着物なら、「もしかしたら価値があるのでは?」と気になる方もいると思います。
着物を処分するときは、最初から「全部売る」「全部捨てる」と決めなくても大丈夫です。残すもの、価値を確認したいもの、手放してもよいものに分けてから、それぞれに合った方法を選ぶと整理しやすくなります。
買取のほかにも、家族や知人に譲る、寄付する、リメイクする、古着・古布回収を利用するなど、着物を手放す方法はいくつかあります。この記事では、捨ててから後悔しないために、着物の処分方法とそれぞれの選び方を紹介します。
着物を処分する前に、まず3つに仕分けてみよう
着物が何枚もあると、1枚ずつ「売れる?捨てる?」と考えるだけでも疲れてしまい、なかなか行動に移せないこともあると思います。そこで、処分方法を決める前に、まずは大きく3つに分けてみてください。

- 手元に残したい着物
- 価値を確認してから決めたい着物
- 手放してもよい着物
① 手元に残したい着物
まずは、自分や家族がこれから着る可能性があるものや、思い入れがあって手放したくないものを分けておきましょう。
私の祖母は日本舞踊の稽古に通っていて、小さな発表会で踊りを披露することもありました。そのときにしか着なかった特別な着物は、査定額が安かったとしても売りたくないと思っています。
それだけでなく、祖母が普段の稽古でよく着ていた着物にも思い入れがあります。決して高価なものではありませんが、何度も見ていたからでしょうか。見るとなんだか懐かしくて、私にとっては特別なものなんですよね。
あなたにも、こういった自分にとっての「特別なもの」ってあるんじゃないですか?
着物の価値は、買取価格だけで決まるものではありません。市場ではそれほど高く評価されなくても、自分や家族にとって大切な着物なら、無理に手放す必要はないと思います。
② 価値を確認してから決めたい着物
「昔かなり高かったらしい」「作家物かもしれないけれど、よく分からない」といった着物は、処分する前に一度査定してもらう方法があります。
古い、シミがある、証紙が見当たらないといった着物でも、査定の対象になる場合があります。見た目だけで「これは価値がないだろう」と決めて捨ててしまうと、あとから後悔するかもしれません。
また、査定してもらったからといって、必ず売る必要はありません。金額や説明に納得できなければ持ち帰って考えることもできます。まず価値を確認して、それから残すか売るかを決めても遅くありません。
着物の種類や状態によって査定額がどう変わるのか知りたい方は、こちらの記事も参考になると思います。

③ 手放してもよい着物
残したい着物と価値を確認したい着物を分けたら、残りについて自分に合った手放し方を考えていきます。
ここでも、全部を同じ方法で処分する必要はありません。売れるものは売る、リメイクしたいものは残す、誰かに使ってもらいたいものは譲ったり寄付したりする。それでも使うのが難しいものは、自治体のルールに沿って処分するという分け方でもいいと思います。
着物を処分する8つの方法を比較
着物を手放す方法は、買取だけではありません。それぞれメリットと注意点があるので、「いくらになるか」だけでなく、手間や枚数、着物への思い入れも含めて選んでみてください。
| 処分方法 | 向いている人 | 注意したいこと |
|---|---|---|
| 着物買取 | 価値を確認してから手放したい | 査定額に納得してから売る |
| リサイクルショップ | ほかの不用品と一緒に持ち込みたい | 着物の取扱いや査定体制は店舗による |
| フリマ・ネットオークション | 自分で価格を決めて売りたい | 撮影・採寸・出品・発送などの手間がかかる |
| 家族・知人へ譲る | 着てくれる人が身近にいる | 相手が本当に必要としているか確認する |
| 寄付 | 誰かに活用してもらいたい | 受入条件や送料などを確認する |
| リメイク | 形を変えて残したい | 加工する手間や費用も考える |
| 自治体の回収・ごみ | 売却や再利用が難しい | 自治体ごとに分別・回収条件が異なる |
| 不用品回収 | 着物以外の不用品も大量にある | 料金や回収条件を事前に確認する |
着物買取|価値が分からない着物も査定してもらえる
価値があるか分からない着物なら、着物を扱う買取業者に査定してもらう方法があります。
私なら、残したい着物を先に分けたあと、一度査定してもらい、査定額と説明に納得できたものだけを売ります。「査定してもらうこと」と「その場で売ること」は分けて考えておくと、落ち着いて判断しやすいと思います。
どこに査定をお願いするか迷っている方は、こちらの記事で条件別の選び方を紹介しています。

なお、喪服の着物を処分しようとしている方は、捨てる前に一度、買取できる可能性があるか確認してみてください。こちらの記事でくわしく解説しています。

リサイクルショップ|ほかの不用品と一緒に持ち込みやすい
着物以外の衣類や日用品もまとめて整理したいなら、リサイクルショップへ持ち込む方法もあります。近くのお店へ持っていきやすいのはメリットですね。
ただし、着物の取扱いや査定体制は店舗によって異なります。価値があるか分からない着物をきちんと見てもらいたい場合は、着物を取り扱っているか事前に確認しておくと安心です。
フリマ・ネットオークション|自分で売れるが手間もかかる
フリマアプリやネットオークションなら、自分で価格を決めて出品できます。買取業者へ売るのとは違い、欲しい人へ直接販売できるのが特徴です。
私はこれまで洋服や本などをフリマやネットオークションで何度も売ってきましたが、着物を自分で出品するとなると、正直かなり大変そうだと感じます。
着物は洋服より広げる場所が必要ですし、写真撮影や採寸にも手間がかかります。着物について質問されてもきちんと答えられる自信がありませんし、相場が分からなければ価格を決めるのも難しいですよね。売れるまで保管する必要もあります。
1枚なら挑戦できても、何十枚もある場合は、私の性格ではとても続かないと思います。自分で売る場合は、売値だけでなく「そこにかかる時間と手間」まで含めて考えることが大切です。
家族や知人へ譲る|着てくれる人がいるなら選択肢
家族や知人に着物を着る人がいるなら、譲る方法もあります。思い入れのある着物なら、知っている人に受け継いでもらえることをうれしく感じる方もいるでしょう。
特に母や祖母など、自分以外の家族が大切にしていた着物なら、処分する前に「残しておきたいものはない?」と家族に聞いておくのも一つの方法です。
寄付|誰かに活用してもらいたい人の選択肢
まだ使えそうな着物を捨てることに抵抗があるなら、着物を受け入れている団体などへ寄付する方法もあります。
ただし、寄付先によって受け入れられる着物や状態、送り方などの条件は異なります。送料が自己負担になることもあるため、送る前に公式サイトで受入条件を確認しましょう。
「寄付だから何でも送って大丈夫」と考えず、相手が必要としているものか確認してから送ることも大切ですね。
実際にどんなところへ寄付できるのか知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

リメイク|着物の形を変えて残す
着物として着るのは難しくても、生地を利用して洋服やバッグ、小物などにリメイクする方法もあります。
私の家族も、傷んだ着物などをミシンで洋服などに作り替えることがあります。査定額が安かったり値段がつかなかったりしても、柄や生地が気に入っているなら、すぐに捨てずにリメイク用として少し残しておくのもいいと思います。
着物のまま残すと場所を取りますが、別の形に変えることで思い出を残せることもあります。
自治体の古着・古布回収やごみ|地域のルールを確認する
売る・譲る・寄付するのが難しい着物は、自治体の回収やごみとして処分する方法があります。
ただし、着物の分別方法や回収条件は自治体によって異なります。「着物は燃えるごみ」と全国共通で考えず、お住まいの自治体の公式サイトを確認してください。
自治体によっては、着物を古着・古布として回収しているところもあります。たとえば東京都江戸川区では着物や帯を古着・古布の回収対象としており、回収したものを中古衣料やウエス、フェルトなどとしてリユース・リサイクルしています。一方で、汚れているものなどは回収対象外です。
まだ使えるものなら、すぐにごみにする前に、住んでいる地域で古着・古布回収を行っていないか確認してみるといいと思います。
不用品回収|着物以外にも大量の不用品がある場合に
家全体を片付けていて、着物だけでなく家具や日用品など大量の不用品がある場合は、不用品回収を利用する方法もあります。
ただし、着物の価値を確認することと、不用品をまとめて回収してもらうことは目的が違います。価値が気になる着物まで最初からまとめて処分せず、先に分けておくと後悔しにくいと思います。
また、家庭から出る廃棄物の回収を業者へ依頼するときは、自治体の案内を確認し、無許可の回収業者には依頼しないよう注意してください。料金や回収条件も、依頼前に確認しておきましょう。
古い着物はそのまま捨てても大丈夫?
何十年も前の着物が出てくると、「こんなに古いものは売れないだろうな」と思ってしまうかもしれません。
でも、古いという理由だけで価値がないとは判断できません。古い着物の中には、作家や産地、技法などによって評価されるものもあります。
また、買取業者によっては、シミや汚れがある着物、証紙がない着物でも査定を受け付けています。ただし、査定してもらえることと、実際に値段がつくことは別です。状態などによっては買取できない場合もあります。
そのため、「古いから捨てる」「証紙がないから捨てる」と自分だけで決めるのではなく、価値が分からないものは処分前に査定してもらうのも一つの方法です。
古い着物に値段がつく可能性や、シミ・証紙なしの場合にどこを確認すればいいか気になる方は、こちらの記事も参考になります。

それでも査定額が100円だったり、値段がつかなかったりした場合にどう受け止めればいいかは、こちらの記事でくわしく解説しています。

値段がつかなかった着物はどう処分する?
一度査定して値段がつかなかったとしても、「それなら全部ごみにするしかない」というわけではありません。
リメイク用に残す、寄付する、自治体の古着・古布回収を利用するなど、状態や自分の希望に合わせて次の方法を考えることができます。

無償引取から寄付・再利用につながる場合もある
買取業者によっては、値段がつかなかった着物を無償で引き取り、寄付や再利用につなげている場合もあります。
その一例がザ・ゴールドです。ザ・ゴールドでは、着物買取時に値段がつかなかった着物や帯について、希望があれば無償で引き取り、リユース活動を行うボランティア団体などへ寄付・再利用しています。
また、ザ・ゴールドでは寄付・リユース活動のページで、着物の提供先やどのように活用されているのかも紹介しています。
私は、値段がつかなかった着物を無償で引き取ってもらうなら、単に「無料で引き取ってもらえるから」という理由だけではなく、その後どのように活用されるのかをきちんと説明しているところを選びたいと思っています。
もちろん、自分の着物が必ず特定の団体へ寄付されるという意味ではありません。それでも、寄付先や活動内容が公開されていれば、「もしかしたら誰かの役に立つかもしれない」と思えますよね。まだ使える着物をごみにすることに抵抗がある方にとっては、こうした取り組みも手放し方を選ぶ判断材料になると思います。
「無料査定」と「無料引取」の違いや、値段が付かなかった着物を引き取ってもらうときの条件については、こちらの記事でくわしく整理しています。

大量の着物を処分するときはどうすればいい?
母や祖母の着物を整理するときは、数枚ではなく、タンスいっぱいに残っていることもあります。大量になるほど、「今日はこれ、明日はこれ」と1枚ずつ考えるのも大変ですよね。
最初から全部捨てる・全部売ると決めない
大量にあると一気に片付けたくなりますが、まずはこの記事の最初に紹介した「残す・価値を確認する・手放す」の3つに大まかに分けると整理しやすくなります。
私自身、家族の物を整理するために何日もかかった経験があります。それまでは「もったいないから、とりあえず取っておこう」と思うことが多かったのですが、実際に大量の物を片付けてみて、その考えが少し変わりました。
今は、もう使わないと分かっているものは、早めに売ったり人に譲ったり、お金にならず今後も使わないものは処分したりするようにしています。
だからといって、思い出のあるものまで無理に処分する必要はありません。「何でも残す」でも「何でも捨てる」でもなく、自分にとって残したい理由があるものを選ぶことが大切なのだと思います。
亡くなった家族が残した着物を整理している場合は、通常の着物処分とは少し考え方が変わります。遺品の着物を整理する順番や、捨てる前に確認しておきたいことは、こちらの記事で詳しくまとめています。

家族の着物なら処分前に一度確認する
自分では不要だと思っていても、別の家族にとっては思い出のある着物かもしれません。特に親や祖父母がよく着ていたものなら、処分する前に家族へ一度確認しておくと安心です。
全部を残すのは難しくても、「この数枚だけは残しておこう」と決めるだけなら、保管する負担も減らせます。
自分で売る手間と、業者へ任せる手間を比べる
着物が大量にある場合は、売却方法によってかかる手間もかなり変わります。
自分で1枚ずつ撮影・採寸して出品するのが負担なら、買取業者へまとめて査定してもらう方法もあります。着物を持って移動するのが大変なら、自宅で査定してもらえる出張買取を検討してもよいでしょう。
どの方法が正解というより、着物の枚数と、自分が整理にかけられる時間や労力まで考えて選んでみてくださいね。
着物を捨てて後悔しないために考えておきたいこと
着物を整理するときに難しいのは、「いくらで売れるか」だけではありません。家族との思い出があると、手放してから寂しくなることもあります。
思い入れが強い着物は急いで処分しない
見た瞬間に「これは残したい」と感じるものなら、いったん処分する着物とは別にしておきましょう。
買取価格が高い着物だけが、残す価値のある着物ではありません。先ほどお話しした祖母の稽古着のように、金銭的には高価でなくても、自分にとっては代わりのないものがあります。
全部残す必要も、全部手放す必要もない
「家族が大切にしていたから全部残さなければ」と考えると、整理すること自体が苦しくなってしまうこともあります。
数枚だけ残して、ほかは査定に出す。値段に納得できたものは売る。リメイクしたいものは取っておく。残りは寄付や古布回収などを考える。そんな分け方でもいいのではないでしょうか。
再利用が難しいものなら処分してもいい
私は、まだ使えそうな着物をごみとして捨てることにはかなり抵抗があります。でも、ひどく傷んでいて着ることも再利用することも難しいものなら、自治体のルールに従って処分することには抵抗はありません。
着物だからといって、何が何でも残さなければならないわけではないと思います。できる範囲で次につながる方法を考えて、それでも難しいものは役目を終えたものとして手放す。そう考えると、少し整理しやすくなるのではないでしょうか。
着物の処分についてよくある質問
着物は燃えるごみに出せますか?
自治体によって分別方法が異なります。着物を古着・古布として回収している自治体もあるため、お住まいの自治体の公式サイトで確認してください。汚れや濡れなどによって古布回収の対象外になる場合もあります。
何十年も前の古い着物でも売れますか?
古いという理由だけでは判断できません。作家・産地・技法・素材・状態などによって評価が変わります。価値が分からない場合は、捨てる前に査定してもらう方法があります。
汚れた着物でも査定してもらえますか?
シミや汚れがある着物でも査定を受け付けている買取業者はあります。ただし、実際に買取できるかどうかは着物の状態などによって異なります。
値段がつかなかった着物はどうすればいいですか?
リメイク、寄付、買取業者の無償引取、自治体の古着・古布回収などを検討できます。利用条件はそれぞれ異なるため、事前に確認してください。それでも再利用が難しいものは、自治体の分別ルールに従って処分しましょう。
まとめ|着物は「捨てる」前に、自分に合う手放し方を考えよう
着物を処分するときは、最初から全部捨てる必要も、全部売る必要もありません。
私なら、まず自分や家族が着られるものや思い出のあるものを少し残します。そのうえで、価値が分からないものは一度査定してもらい、金額や説明に納得できたものだけを売ります。
査定額が安かったものや値段がつかなかったものでも、リメイクできるなら残す、誰かに使ってもらいたいなら寄付や無償引取を検討するという方法があります。それでも使うことが難しいものなら、自治体のルールに沿って処分すればよいと思います。
大切なのは、価値が分からないまま捨ててしまわず、自分が納得できる手放し方を選ぶことです。
「捨てるしかない」と思っていた着物にも、売る、譲る、寄付する、リメイクするなど別の選択肢があります。全部を残す必要はありませんが、捨てない方法もあることを知ったうえで、自分や家族に合った方法を選んでみてくださいね。
査定先選びで迷ったときは、こちらの記事も手元に置いておくと安心です。


